アメリカの民主主義が世界を破壊してきた
アメリカの属国である日本への警告
として、参考までに一部抜粋します。このロシアに行ったのと同じアメリカが日本に対しても、日本国民の富がウォールストリートに流れる仕組みが恐ろしいほど出来上がっています。
この続きです↓ (「表現者クライテリオン」 2022年7月号58~61頁より一部抜粋。
(紙媒体から手入力した為、入力ミスは見つけ次第、訂正します)



伊藤貫02

┃「経済自由化」というロシア国民資産の大窃盗

 

安全保障政策に関してロシアを裏切った米政府は、「ロシア国民資産の大窃盗」という信じがたい犯罪まで実行した。

「ロシアが所有する巨大な自然資源を民営化させる。この民営化プロセスを、米政府と米金融業者がコントロールする。この民営化によってアメリカが利益を獲る

という大胆なプランを企画し、冷酷に実行したのである。

このプランを最初に発案したのは、ハーバード大学の経済学者とウォールストリートの投資銀行・ヘッジファンド業者であった。彼らは「ロシア固有資産を急速に民営化させれば、アメリカの投資家と金融業者は大儲けできる」と気付いたのである。

(略)

ウォールストリートから大量の政治資金を受け取っていたクリントンはエリツィン大統領に

「ロシアがIMFと西側諸国から経済援助を得たかったら、アメリカが作成したロシア経済民営化プランに賛成せよ」と申し出たのである。

(当時アメリカ東部に住んでいたソルジェニーツィンは、エリツィン政権のコズィレフ外相に「アメリカの民営化プランを採用すると、ロシア人はアメリカの奴隷になってしまう。こんなプランを受け入れてはならない」と忠告した。しかしコズィレフはすでにアメリカの金融業者に取り込まれており、ソルジェニーツィンのアドバイスを無視した。)

 

クリントン政権の対露経済政策に関して、カーター大統領の安全保障補佐官を務めたズビグネフ・ブレジンスキーは、著書『Second Chance(2007)に於いて、

「ロシア経済に群がったアメリカの“経済コンサルタント”たちは、ロシアの自称“改革派”と共謀して、一攫千金のロシア資産民営化プランを強行させた。

この腐敗した“経済改革”によって、ロシア国民の巨大な資産が窃盗された。

この行為のため、米政府が提唱していた“ロシアの新しい民主主義”というスローガンは、悪趣味なジョークとしか見なされなくなった」

と述べている。

クリントン政権時、モスクワの米大使館に勤務していた国務省官僚のドン・ジェンセンも、

「米政府が“ロシア経済の民主化・民営化”と称する犯罪的な政策を支持し続けたため、多くのロシア国民は、アメリカのことを“国有資産窃盗の共犯者”と見なすようになった」と回想している。

 

当時、モスクワに勤務していたアメリカの財務省・国務省・CIAのキャリア官僚たちは、ワシントンの米政府に、

「ロシアの経済改革は大失敗である。エリツィン政権は腐敗したオリガーキー(急速な国有資産の民営化によってたった数年間で巨万の富を獲得した金融犯罪者達)によって支配されている。このような犯罪を止めさせるため、西側諸国とIMFはロシアに対する経済援助を即座に停止すべきである」

とい内容の報告書を繰り返し送った。

しかしクリントン政権の財務長官・国務長官・中央銀行総裁(アラン・グリーンスパン)は、これらの報告を全て握り潰したのである。

米露イスラエル三国の金融業者がロシアに於いて濡れ手に粟の荒稼ぎをしていた七年間、クリントン政権は巨大な犯罪行為を容認し続けた。

このクリントン政権による犯罪容認行為に関して、1999年9月21日、CIAのロシア政策・最高責任者であったフリッツ・エアマースが、非常に重要な議会証言をしている。

(エアマースは、レーガン政権の安全保障会議のロシア政策主任であった。彼は次のブッシュ政権からクリントン政権にかけて、National Intelligence Council の議長として、米政府で最も権威ある national intelligence estimate という情報分析書の内容を決定していた。つまり彼は、アメリカの16の情報機関に所属する数万人の情報分析官のトップであった。)

 

エアマースは米露の金融業者による巨大なロシア国有資産の窃盗に関して、以下のように証言している(この証言は現在でも、c-span.org という公共放送のインターネットサイトで視ることができる):

「現在のロシア経済は泥沼状態である。“民主主義的な資本主義”と称される経済に於いて、政府公認の経済犯罪が横行している。“ロシアの民主主義”とは偽物の民主主義であり、“ロシアの資本主義”は虚妄の資本主義である。

これは、ロシア国富の単なる窃盗行為にすぎない。ロシア政府の“経済改革”とは、最初から犯罪者たちによる富の収奪行為であった。しかもエリツィン政権の作り出した超インフレによって、大部分のロシア国民の貯蓄は破壊されてしまった。現在のロシア国民は、資本主義体制を憎悪している。

 

1993年にニクソン元大統領がモスクワに来た時、彼はエリツィン大統領に対して

『ロシア庶民の経済的な困窮に、もっと注意を払うべきではないか。ロシア議会の政策提言にも、耳を傾けた方が良い』と忠告した。するとエリツィンは、

『クリントン政権は、そのようなことを言っていない。彼らは我々に国民と議会は無視しろと言ってくる』と答えたのである。

このようにクリントン政権は当初から、『ロシア国民の生活は無視しろ』

という態度であった。

 

ロシアの国債市場は、投機業者が常に巨利を獲るように仕組まれている。そのためロシア財政は破綻してしまった。

露政府は国民に対する給与と年金の支払いを止めてしまい、医療制度も崩壊している。

このような犯罪的な経済政策にも関わらず、IMFは露政府に対して巨大な経済支援を供与し続けた。そしてアメリカ政府は、ロシアにおける虚妄の“経済改革”が成功しているかの如きお芝居を演じ続けた。

 

ロシア経済の腐敗と犯罪は、CIAの分析官がわざわざ証拠を探し出す必要もない明白な事実である。ごく普通の庶民ですら、露政府の腐敗と犯罪を知っている。

しかし不思議なことにアメリカのマスコミと外交政策エスタブリッシュメントは、露政府の腐敗と犯罪に気付かないフリをしてきた。

我々情報分析官は、その事に注意を喚起しようとした。しかし我々の抗議は無視された。

IMFが露政府に対する盲目的な経済支援を続けたことは、ロシア国富の窃盗行為を“合法化・正当化”しただけであった。しかもIMFがロシアに供与し続けた資金は、部分的に盗まれていた。

 

この腐敗した“経済民営化”によってロシアの国富を窃盗した犯罪者たちは、2000億ドルから5000億ドル(約26~65兆円)の利益を国外に持ち出した

彼らはこの資金の大半を、マネーロンダリングしてからアメリカの金融市場と不動産市場に持ち込んだ。

そしてアメリカの民主・共和両党の政治家たちは、この資金移動から恩恵を受けていた。

私はそのことに関して、確信を持っている。

この資金移動から、アメリカの報道陣も恩恵を受けている。米マスコミの動きを観察すれば、そのことが理解できる。ロシアからの犯罪資金の移動を監視してきたFBIの捜査官たちも、そのように言っている。

 

このようなアメリカへの大規模な資金移動には、米政府有力者の“お世話”や“協力”が必要である。そのような“お世話”と“協力”が、どのように最近のアメリカ政府の対露政策を変えてきたのか、そのことを調査するのは連邦議会の任務であると思う。アメリカの投機業者が米政府とIMFの対露政策を変えてきた、と示唆している。」 (後略)

https://the-criterion.jp/backnumber/103_202207/ より一部抜粋)
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今から三千年以上も前、エジプトの奴隷だったイスラエルがモーセに率いられ出エジプトしました。
我が国は今、出アメリカすべきです。
戦後からの脱却=脱アメリカ=脱グローバリズム